NLB
今回は IIS に絡む機能であるネットワーク ロード
バランス(ネットワーク負荷
分散/NLB)についてお話しますね。
NLB
は次のようにイメージすると分かりやすいでしょう。
「NLB は複数のサーバーを 1台のサーバーに見せかける技術!かつ
複数のサーバーで負荷を分散する」
この言葉に尽きると思います。
では、次にもう少し具体的にお話ししますね。
NLB は Web サーバーの負荷分散に良く利用されるので、
Web サーバーを例に話を進めます。
そもそも複数台の
Webサーバーを 1台の Webサーバーに見せかける必要があるの
か?
それは、インターネットなどで
Webサーバーを公開すると膨大なトラフィックが
発生することがあります。
このトラフィックに
1台のサーバーでは対応できないとしましょう。
当然、サーバーを増やすことになりますが、単に増やしただけではユーザーは、
どのサーバーを利用してよいかわかりませんよね。
これではユーザーの利便性(ユーザビリティ)が損なわれます。
また、折角サーバーを増やしても、片側のサーバーにばかりトラフィックが集中
するかもしれません。これではいけませんね。
そこで、考え出されたのが、複数の
Webサーバーを 1台の Webサーバーに見せか
ける技術だったわけです。
昔の負荷分散は DNS
のラウンドロビンで実装されていました。
ラウンドロビンとは、一つのホスト(レコード)に複数の IP アドレスを割り当
てておいて、その IP
アドレスのリストの上から順番に IP
アドレスを返すこと
で負荷を分散させることです。
ラウンドつまり、リストを循環させるという意味です。
ただし、ラウンドロビンには決定的な欠点がありました。
それは死活監視を行わないことです。
つまり、ダウンしているサーバーの
IP アドレスを返してしまうことがあるので
す。
このラウンドロビンの欠点を克服した技術が NLB です。
NLB
ではサーバーの死活監視を行っており、ダウンしたサーバーへはトラフィッ
クが行きません。
これで負荷を分散させつつ、可用性も保てるのです。
因みに
Windows の NLB は
NLBノードすべてが、要求をリッスンしています。
その要求を各自が判断して、応答しているのです。
ちょっと不思議ですね。センターとなるサーバーがいないなんて。
では、次に
NLB が利用できる Windows Server 2003
のエディションをご紹介し
ますね。利用できるのは以下のエディションです。
・Web Edition
・Standard
Edition
・Enterprise Edition
・Datacenter Edition
費用対効果考えれば、Web
Edition を選択するのが一番いいでしょうね。
また NLB
ですが、専用のハードウェアで構成することもできます。
ただし、専用ハードウェアは非常に高価です。数百万円します。
しかも
NLB装置の可用性も考慮すると、コストはさらに倍になります。
それが Web Editon なら 1台あたりハードウェア込みで
20〜30万円程度で購入
できます。
もうこれは、Windows の NLB
を利用しない手はないですよね。
いやいや、待て待て。Windows の NLB
にも欠点がある。
そう思われた方、いらっしゃいますか?
そうなんです。以前の Windows の NLB
には欠点がありました。
それは、Windows の NLB は Ping レベルで死活の判断を行っており、OS
が動作
していてもアプリケーションがダウンしているようなケースでは、可用性を保つ
ことができないということです。
完璧な可用性が求められるようかケースではハードウェアの
NLB を選択する
こともあったかと思います。
しかし、IIS6.0
ではワーカープロセスのリサイクリングが搭載されたことにより、
IIS自体が可用性を実現しています。(前号でお話ししています)
事実上、この問題も解決できていると言うわけです。
ということで
NLB
のお話しはこの辺で。
Web Edition を選択できるエントリー クラスのサーバー機はこんな感じぃ〜
クリックすると詳細が見れますよーん!(^-^;
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