80/20ルール
DHCP ネットワークを設計する上で必要となる知識として
80/20 ルールというものがあります。ここでは、このルールについてお話します。
DHCPサーバーで障害が発生すると IP アドレスの割り当てを受けていない
クライアントはネットワークに接続できなくなります。
つまり、DHCPは非常に重要なサーバーであるということです。
このように重要な役割を果たすサーバーには冗長性を持たせることが
一般的です。
冗長には無駄な、とか蛇足という意味があり、
対障害性を向上させるために利用されるものです。
たとえば、1台で良いところを
2台用意したりすることで、
1台で障害が発生したとしても、サービスを提供し続けることが
できるわけです。
つまり、平常時には蛇足と言わざるを得ませんが、障害時に活躍できる
わけです。冗長はフォールト トレランスとも言われます。
DHCP サーバーは、サーバーを
2台配置することやクラスタを組むことで、
冗長性を確保します。
一般的にクラスタは高価になるため、DHCP では 2台でカバーすることが
多いようです。
クラスタとは複数台のサーバーを、1台のサーバーに見せかける技術のことです。
DHCP サーバーを
2台で構成する場合、注意するべき点があります。
それは IP アドレスの範囲が重複しないようにすることです。
DHCP
サーバーは自分が割り当てた IP アドレスしか管理できません。
つまり、他のサーバーが割り当てている IP アドレスを認識できないため、
2 台のサーバーが同じ範囲の IP アドレスを管理している場合、
重複して割り当てる可能性があります。
実際には Windows ベースのサーバー、クライアントともにアドレス衝突の
回避機能があるため、重複は避けられますが、パフォーマンスが低下します。
これを避けるため、お互いに
IP アドレスの範囲を分けて設定します。
ここで適用するのが 80/20 ルールと言われるものです。
これは IP アドレスの範囲の 80% を 1台のサーバーに管理させ、
残りの 20% をもう 1台のサーバーが管理させるようにすることです。
DHCPクライアントに、より近い DHCP サーバーに
80% の IP アドレスを設定します。
遠い DHCP サーバーには残りの 20% を設定します。
こうすることにより、80% を管理している DHCP サーバーを有効に動作される
ことが可能なのです。
20% を管理する DHCP
サーバーはバックアップとして動作することになります。
ここで一つ疑問が出てきませんか?
80% を管理する DHCP サーバーがダウンした場合、20% しかない DHCP サーバー
では IP アドレスが足りないのでは?
大丈夫なんです。
DHCP サーバーから割り当てられた IP アドレスにはリース期間が
設けられています。
つまり、リース期間内であれば、DHCP サーバーがなくても、DHCP クライアントは
ネットワークに接続できます。
ダウンしたサーバーを復旧させる間に、IP アドレスを持たない DHCP クライアントと
リース期間を過ぎた DHCP クライアントの分だけ、
IP アドレスがあれば足りると言うことです。
なるほど!って感じじゃないですか?
さらに補足すると、バックアップとして動作している DHCP は、そのままでは
勿体ないですよね。
なので、バックアップとして動作している DHCP にもメインとして動作する
IP アドレスを管理してもらえば良いのです。
言葉で説明すると難しいかもしれませんので、下図を参照してくださいね。

図4:DHCP ネットワーク基本構成 (図をクリックすると拡大図が表示されます)
上手を簡単に補足しますと、左側のネットワーク A のネットワーク アドレスは
192.168.35.0/24 となっており、ネットワーク A 上の DHCP サーバー上で
80% の IP アドレスが管理されています。
右側のネットワーク B
のネットワーク アドレスは 192.168.45.0/24 となっており、
ネットワーク B 上の DHCP サーバー上で 80% の IP
アドレスが管理されています。
残りの 20% をお互いに管理し合うことで、80/20 ルールを適用した冗長構成が
完成します。
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DHCP―ホスト設定サーバの設定・運用・管理