両製品の製品概要
Virtual PC 2004 for Windows
マイクロソフト社から発売されているエミュレータ ソフトです。
バージョンが示しているとおり、2004年の初夏に発売が開始されております。
マイクロソフト社初のエミュレータ ソフトウェアであり、Windows との親和性に
期待が寄せられています。
また、価格に値ごろ感があることから今注目を浴びている製品でもあります。
VMWare Workstation 4
VMWare 社から発売されているエミュレータ ソフトです。
エミュレータ ソフトの中では老舗中の老舗ですね。
ただ、少々高額なため個人で購入するには敷居が高いようです。
検証マシン スペック
Dell Latitude D600 (ノートPC)
CPU Petium M 1.8GHz
Memory 2GB
HDD 80GB
Windows XP Pro
ベンチマーク
ベンチマークには CrystalMark 2004 を使用しました。
CrstalMark についての情報はこちらから
まずはホストマシンのベンチマーク結果です。
バーチャル マシンの検証結果です。画像では比較が大変ですので表形式にしました。
表中の割り当てメモリとはバーチャル マシンに割り当てた実メモリ容量です。
通常割り当てメモリを増やすとパフォーマンスは向上しますが、
バーチャル マシンにセットアップした OS が Windows XP Pro のため、
メモリ使用量は 128MB に達していません。
つまり、256MB にしてもあまり大きな影響はなかったようです・・・(汗)
VMWare |
Win XP Pro |
割り当てメモリ |
128M |
256M |
MARK (総合) |
59229 |
73316 |
ALU (整数演算) |
6499 |
6642 |
FPU (浮動小数点演算) |
8792 |
8847 |
MEM (メモリ速度) |
3183 |
3460 |
HDD (ハードディスク速度) |
36325 |
49367 |
GDI(2D グラフィックス) |
2085 |
2447 |
D2D (DirectDraw) |
1860 |
2055 |
OGL (OpenGL) |
485 |
498 |
実売価格 |
28,000円 |
2004/9現在 |
|
|
|
Virtual PC |
Win XP Pro |
割り当てメモリ |
128M |
256M |
MARK (総合) |
52801 |
59119 |
ALU (整数演算) |
6212 |
6338 |
FPU (浮動小数点演算) |
8271 |
8348 |
MEM (メモリ速度) |
3230 |
3347 |
HDD (ハードディスク速度) |
32955 |
38753 |
GDI (2D グラフィックス) |
840 |
942 |
D2D (DirectDraw) |
919 |
989 |
OGL (OpenGL) |
374 |
402 |
実売価格 |
0円 |
2006/7現在 |
CPU、メモリのパフォーマンスについてはほぼ互角と思われます。
HDD についてはホストマシンより高いパフォーマンスが出ているので、
この値が信用できるかどうか疑問が残りました。
ベンチマークソフト自体がバーチャルマシンを想定していないと思うので仕方ないでしょう。
しかし、両者の比較には使えると思いましたので掲載しました。
描画処理については VMWare の方が数段上のようです。
全体のパフォーマンスを見る限り、VMWare に軍配が上がりますが、
価格を考慮すればニーズによる住み分けが起こると推測されます。
ハイパフォーマンス重視であれば、VMWare でしょうし、コスト重視であれば
Virtual PC ということです。
個人利用であれば Virtual PC でまったく問題ないと考えます。
検証の考察
今回検証するにあたり、ひとつ分かったことがありますのでご紹介します。
それは既定値の違いです。
既定値とはソフトウェアをセットアップした際の標準的な設定のことなのですが、
この既定値に二社の考えの違いが伺えました。
Virtual PC 2004
プロセスの優先順位
●フォアグラウンド:ノーマル
●バックグランド:ロー
HDD のタイプ
●可変長バーチャル ディスク
VMWare
プロセスの優先順位
●フォアグラウンド:ノーマル
●バックグランド:ノーマル
HDD のタイプ
●固定長バーチャル ディスク
まず、プロセスの優先順位についてですが、バックグランドで実行した場合に
違いがあります。
VMWare ではフォアグラウンドとバックグラウンドに関係なく、優先順位はノーマル
ですが、Virtual PC はバックグラウンドでの実行では優先順位がローとなっています。
マイクロソフト社はユーザーの操作性を重視したのに対し、VMWare 社はパフォーマ
ンスを重視した結果、このようになったものと推測されます。
HDD のタイプの違いはパフォーマンスとディスク容量の消費量とのバランスに違いが
あるということです。
基本的に固定長はパフォーマンスに優れますが、ディスク領域を多量に消費します。
可変長は必要なディスク領域分だけ、実ディスク領域を消費するかわりにパフォーマ
ンスでは固定長より劣ります。
つまり、HDD についてもVMWare 社はパフォーマンスを重視していますが、
マイクロソフト社はユーザービリティを重視していると言えるでしょう。
※プロセスの優先順位と HDD のタイプは変更可能です。
※今回の検証は既定値で行っております。
私個人のお勧めは
個人利用なら、Virtual PC 2004 で十分!
高パフォーマンスが必要なら VMWare Workstation 4 をお勧めします。